別荘地に定住用住宅を建てるにあたり、必要最低限の性能として「高気密高断熱」と並び「耐震等級3」を掲げました。とともに避けて通れないのが白アリ対策です。虫は好きな方ではないし、特に白アリとは新居では同居したくないです。なんせゴキブリ目シロアリ科ですよ、ゴキブリ・・・し、知らなかった。
白アリ被害イラストR
マンション住まいだと白アリは別世界の話でしたが、戸建てを持つとなると無視できません。木造住宅の大事な柱を食われたら、家の資産価値が無くなるだけでなく、住めなくなる可能性だってあります。

従来、日本にいる白アリは主に2種類でした。(今後、温暖化によってどんどん変わるかも。)彼らは土の中に巣を作って、餌となる材木を求めて登ってきます。コンクリートでもちょっとの隙間があれば登ってくるそうです。そして湿った木材が好物。彼らの最適相対湿度は70~80%です。

そこでうちが設計をご相談中のエスネルデザインさんは白アリ対策として、1m以上の高基礎・コンクリート一体打ちを標準仕様とされています。コンクリートの隙間を無くして蟻道を作らせず、雨で構造材を濡れにくくさせます。更に床下エアコンを採用し、床下が空調経路となって通気されます。(床下が高いので収納もでき、人の目も行き届きやすくなります。)

ところが、それは今までの白アリ2種には通用する対策です。今は輸入木材などに紛れてやってきた、「アメリカカンザイシロアリ」という厄介な外来種がいます。大阪を中心に関東以西に広がっているそうです。それは土の中から襲ってくるのではなく空から飛んできて、巣も木材の中に作ります。乾いていても平気です。その対策は、砂状のフンが無いか気を付けておき、見つけ次第、駆除業者に相談するしか今のところないとのこと。新築なら、ホウ酸などの薬剤を使った木材を柱に使うという手段もあるようです。

餌となる木材は好みがあるようですが、何故かヒノキは喰われないといまだに信じている人が多いようです。それが一般の人ではなく、建築実務者が「ウチは総ヒノキで建てますから白アリにやられません」と言い切っているのが怖い。(うちが建てようとしているエリアにもそのような工務店さんがあります
既に10年も前に京大の吉村先生が、アメリカカンザイシロアリはヒノキが好みという事を論文発表されています。従来の白アリ2種もお好みではないようですが、他になければヒノキだって食べる、という報告も多数出ています。

山の中は他に餌となる樹木が大量にあるので、別荘はターゲットになり難いという説もあります。実際、当該別荘地では白アリより黒アリの被害(朽ちた木材に住み着いてぼろぼろにする)の方が多いようです。でもこれから数十年の間に、どれだけ温暖化で気候が変わっていくでしょう? 今までどおりが通用しない環境になってくる可能性があります。

最後に・・・
小学生の時、友人の家で遊んでいたら押入れからものすごい大量の羽蟻が湧いて出てきて、まじスプラッター状態になったことがあります。いまだにトラウマですが、あれ、白アリが羽化して一斉に出てきたんじゃないかな?

わが家がこだわる住宅性能についての話題はこちらにもございます。


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