訳あって、塩を入れない食パンを焼いてみることにしました。塩の無いパンはイタリアのトスカーノで伝統的に作られていますが、世界的にもほとんど無いそうです。(このパーネ・トスカーノ、イタリア旅行中に食べた記憶があります。)
塩が無いと味に影響する以外に、パンを作るうえで色んな違いが出てくるようです。

生地が引き締まらない
塩は小麦を捏ねる際に、グルテンの形成を促進します。塩が無いので、捏ねても捏ねてもグルテンが弱く、べた付いた緩い生地でした。

発酵が早い
捏上げの温度が低めだったにも拘らず、一次発酵中の生地温度がどんどん上がり、発酵が早かったです。通常の発酵時間で見ていたら、過発酵になってしまいました。
一般的に塩は雑菌の繁殖を抑える働きがありますが、イーストの働きも抑える(コントロール)します。それが無いのでイーストが暴走している感じでした。
塩無しパンフロア
※一次発酵途中です。どんどん温度が上がってくるし、かなり膨らみました。

二次発酵も進みがち
生地を型に入れて二次発酵の際も発酵が進みがちでした。焼き上がった後に断面を見てみると、スダチ(気泡)が丸くて過発酵気味のようでしたが、詳しい方に見て頂いたら想定範囲らしいです。
塩無しパン断面
※塩無し食パンの断面

20年使ってきた三洋電機製のオーブンがいよいよダメになってきたので、今回から三菱電機のオーブンレンジを使って焼くことにしました。とはいえ、これも2004年製なので大差ない年式です。
オーブンレンジは下火が無く、上火だけで焼くので、食パンの様な背の高いパンは上ばっかり焦げてしまう・・・これでも途中でアルミホイルを掛けて、焼き目をコントロールしたんです。
塩無しパン焼き上がり
※焼き上がり直後。上部がかなり焦げてます。
 パンにはコンベクションオーブンというものがお勧めされる理由がわかりました。

因みに焼き立てをしれっとだんなに出したら、それなりに旨い、と言っていたので食べられなくはなさそうです。健康上の理由で塩無しパンを求める方もいらっしゃるので、需要はあるのでしょうね。(今回はバター、脱脂粉乳入りなので自分では食べられません。)


今回のパン作りも米国出身スタンドミキサー選手が働いてくれました。
前回ご報告のスタンドミキサー、初戦は散々な出来でした。


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