高原の小さな家で快適別荘ライフ

設計士さんによる、小さくて高性能な住宅を建て、夫婦2人で八ヶ岳の自然に囲まれた生活を目指して計画進行中です

カテゴリ:住宅建設 > 家の性能

わが家はこれから高原の別荘地に定住用住宅を建てます。その為にとても重要視している住宅性能が「高気密高断熱」です。
市が運営するエコハウスのモデルハウスが見学自由と知ったので、参考になるかと見学に行ってみました。2010年に国のエコハウス事業で各地の自治体によって建てられた20棟のうちの1棟です。

環境省のエコハウス事業のモデルハウス
高気密高断熱の住宅建設に真剣に取り組んでおられる事業者の方々が、多数指導を仰がれている東大の前准教授。その前先生が、このエコハウス事業の一連のモデルハウスを調査されたことで、(当時の)日本のエコハウスというもののバラつきや考え方の違いがありすぎることが判り、「エコハウスとは何か」という事により深く取り組まれるきっかけになった、と仰っていました。

偶然その1棟が市内にあると知り、これだ!と思っていそいそと見学に行きました。

りんご並木のエコハウス
向かったのは市内のど真ん中、りんご並木の超一等地に東向きに建つ大きな2世帯住宅(をイメージして建てられた)です。当たりに似つかわしくない木造建築で、そのままカフェか高級料亭に出来そう。2016年、天皇皇后両陛下(当時)の行幸啓時にはご休憩場所になった、やんごとなき建築物でもあります。

見学した日は市民サークルのご婦人達が、イベントの作り物にいそしんでおられました。会議や市民サークルの活動にも使えるそうです。
こちとら予約せず飛び込んでいったのですが、ご担当の方が快く案内して下さいました。(乗って行った自転車も、建物の真ん前に駐輪OK!でした。東京だったら怒られそうですが。)
1015リンゴ並木のエコハウス
※2軒に見えますが、これで1軒の住宅です。見るからに贅沢な造り・・・

建物の第一印象
入ってみるととにかく玄関ホールが大きくて、昔の豪農ですか?という印象です。それをイメージづけるのが広ーい土間。レンタル電動自転車が何台も玄関内に収納されてました。

土間もそうですが、中日本地域の自然素材を集めて建てられているそうです。中でも印象的だったのが、建物内の空気が柔らかくて優しいこと。素材だけでなく、空気もほんわり暖かくて居心地が良かったです。

窓がすごい
親世帯と子世帯、それぞれの2階建てを玄関でつないだ作りで、親世帯の1階に広いLDKがあります。その東向きの大開口の窓がすごくて、複層ガラスの樹脂サッシを2重サッシにしてあります。その上更に太鼓貼りの襖があり、断熱がしっかりできるんです。太鼓貼り・・・初めて見ました(和紙が両面に2重に貼られている襖です)。
1015太鼓貼り襖
※判りずらいですが、太鼓貼り襖と2重サッシです

つまり、窓部分だけでも30cm程の幅を取ってます。ふつーの家じゃ、その分だけ部屋が狭くなるのでなかなか考えられないですね。
窓の外側には木製の縦ルーバー雨戸もあり、直射日光を遮って光を取り込むこともできます(降雪時は雪除けにもなるそうです)。

窓だけでも贅を尽くした作りです。もちろん、窓だけでなく壁も断熱材をしっかり入れてあり、その模型を見ることもできます。

冷暖房設備
暖房は、屋根に太陽光パネルとOMソーラーを乗せ、太陽エネルギーで賄う事を目指しています。またそれぞれの棟にはペレットストーブが置かれていました。

見学した日は、既に朝夕が冷える時期だったのでOMソーラーを暖房モードにし、屋根で温めた空気を床下に送り込んでいました。そして各部屋の床に開けられたガラリから暖かい空気を配っていました。吹き抜けで2階まで暖かい空気が行き渡るそうです。
1015OMソーラー
※OMソーラーで温めた空気を床下に送るダクト。羽が回って見て判ります

冷房は2階のエアコン1台を稼働するそうです。

床材
基本はフローリングですが、杉とカラマツを使い分けていました。LDKは柔らかな杉板で、床下から暖められていて足裏が快適です。私は通年、フローリングではスリッパ必須な冷え性ですが、ここの床は靴下だけで立っていられました。床下暖房+杉板フローリングが体感できたのは有難かったです。

水回りのコルクタイルは、コルクらしいマットな表面ではなく、固くつるつるしてました。耐水性がありそうです。どの床材でも足裏に暖かみを感じました。

但し、お風呂だけは遠慮したい感じでした。贅沢な造作風呂で諏訪の鉄平石を敷き詰めてあり、自然素材にこだわりすぎて冷えびえしてました。

高気密高断熱性能
戴いた資料にも、高気密高断熱性能の数値が見当たらず、説明にもなかったので後からネットで調べてみました。計画はQ値1.5,C値2.0目標とあり、環境性能はQ値1.7W/㎡K、C値2.0㎠/㎡、Ua値0.57W/㎡Kと公開されてました。

高い方ではありますが、今のレベルからすると「高」と言い切るには足らない(10年以上も前の建築なので仕方ないのか…)。今は高気密を謳うならC値は1.0以下であってほしいです。
断熱性能のQ値も、実測値が設計時の目標に達していない訳で。

どちらかというと自然エネルギーと自然素材に注力することでの「エコハウス」風なのかな。前先生の仰ってた事がちょっと分かったような気がします。
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※因みに前先生の著書です。わが家の住宅建築のバイブルの1冊です


わが家が「高気密高断熱」の住宅性能を重視するに至った経緯は、こちらの記事でご覧いただけます。


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わが家はこれから高原の別荘地に定住用住宅を建てます。その為にとても重要視している住宅性能が「高気密高断熱」です。

贅を尽くした元モデルハウスで宿泊体験
先日、お知り合いの方の仕事用の別邸に泊めて頂く機会がありました。標高500mに位置する長野県内のお家ですが、高気密高断熱の木造住宅です。
実は地元の工務店が建てた元モデルハウスです。ですので良さげな木をふんだんに使い、贅を尽くした作りと広さがありました。また照明やキッチンもモデルハウス用に設置されてそのままなので、とてもオシャレでした。

間取り
広いだけでなく、間取りがすごく凝ってました。
マノワール玄関から
※玄関から望む1階と、中2階のリビングへの階段

基礎部分:車2台分のガレージと、ガレージに直結した収納部屋(天井高が150cm位)
1階  :玄関、商談室(応接)、6畳和室、お風呂と洗面、大きいトイレ、廊下
中2階 :16畳程のリビングダイニングキッチン
2階  :小上がり6畳和室、ロフト付き寝室2部屋、ブランコ付き吹抜け、トイレ
中3階 :ロフト部屋
マノワールロフト
※3階のロフト部屋、といっても天井高があります。

迷子になりそうです・・・。しかも、リビングダイニングからは常に出入りのために、1.5~2mほどの階段を上がり下がりしなくてはならないです。

マノワール小上がり
※2階のまるで旅館!な、小上がり。ここで休ませてもらいました。
 暖かい空気が入るように、障子風の仕切りは開けっぱなしで寝ました。


空調設備
暖房はセントラルヒーティングの他、各部屋にオイルヒートのバーが設置されていました。
収納部屋以外は全館暖かく、夕方帰って来た時だけ2階のエアコンでも暖房しましたが、夜には止めました。戸外の気温は氷点下でも、翌朝の起床時から全館快適な室温でした。
マノワール「吹き抜け
※ブランコのある吹き抜け。奥に空調設備が見えます。


全館3層ガラスの樹脂サッシ窓で、内側に網戸があります。
もちろん結露など一切ありません。東京よりはるかに寒くて、室内外の気温差が激しくても、です。わが家の結露だらけのアルミサッシがますます恨めしくなりました。
マノワール樹脂サッシ
※朝、撮った樹脂サッシの画像です。全く結露知らずです!

床材
和室とキッチン、和室以外は全て木の無垢床(ワックスあり)でしたが、冷え性の私にはやはりスリッパが必要でした。セントラルヒーティングですが、床下エアコンや床下暖房ではないので、そこは違ってくると思いました。

リビングダイニングキッチン
アイランドキッチンは収納もたっぷりあり、ダイニングから続くリビングも吹き抜けになっていて開放感がありました。
ダイニングには6人掛けの丸テーブルがあり、リビングにも1枚板の8人で囲める大テーブルがありました。全部で16~18畳程かと思われました。
マノワールダイニング
※広~い、ダイニングキッチンをリビングから見ています。照明もオシャレ。

ユニットバス
お風呂は1.25畳サイズのトクラス(旧ヤマハ)のユニットバスと思われました。高機能すぎてついて行けません。湯船はマイクロバブル&ジェット機能付きで、浴室全体のミスト機能とか、ヤマハだけあってスピーカーも! 天井はドーム型で高くて、とても広く感じました。
マノワールお風呂
※ヤマハの高機能ユニットバス。マイクロバブルのお湯を体験しました。

戸建て住宅の理想形の一つ
今回お邪魔したお家は元モデルハウスですから、一つの理想形だと思います。価値観は人それぞれなので、わが家の理想形とはだいぶ違うかな・・・。
でも「高気密高断熱」の家とはどんな感じか、ちょっと分かった気がします。標高500mの真冬の長野でも家じゅうがどこも寒くないのは、今まで私が暮らしてきた家では考えられない事です。でも、これからの住宅では標準の性能であり、健康的に住み続ける為に本当に必要なことだと思いました。


わが家が「高気密高断熱」の住宅性能を重視するに至った経緯は、こちらの記事でご覧いただけます。


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わが家はこれから別荘地に定住用住宅を建てるにあたり、まず必要最低限の性能として「高気密高断熱」「耐震」を掲げました。高気密高断熱の指標としては「Ua値0.3以下」「C値0.5以下」、また耐震は許容応力度計算による「等級3」とするなど、数値による管理ができることを希望しています。

こういった住宅性能が達成できれば「長期優良住宅」の認定を受けることができます。これは長期間、家が良好な状態で保てるだけの構造や設備が整っていて、維持管理の計画や方法を決めている住宅が認定可能となります。認定を受けると税制上の優遇措置がいくつかあるのと、地震保険が割引になるメリットがあります。
この制度は国交省の所轄で、認定を受けるためには着工前に各都道府県庁の建築課的な部署に申請します。
住宅設計
しかし、実際には新築住宅の1割程度しか認定を取っていません。何故か? まず申請手続きが面倒で、資料も沢山準備しないといけないので、
 ①工務店側が面倒なのでやりたくない? 施主に積極的に進めていないのかも。
 ②もちろん申請のための経費が掛かるので、施主側の負担も増えます。
 ③10年ごとに点検してメンテナンスが義務付けられているので、面倒でお金もかかる。
という事情があると思われます。(個人の意見です。)

もともとは中古住宅が過剰に余っているので、中古住宅も適正に流通できるようにと制定された「住生活基本法」に基づいた制度です。しかし、工務店やハウスメーカーにとっては今まで通りのスクラップ&ビルドの方が仕事が増えて儲かるから、積極的に勧めないですよね。

建て主としては、家は数十年の間にメンテナンスは必須ですから、それを計画的にやるかどうかだけの違いです。後は申請の手間と費用をどう考えるか、ということになります。
わが家は認定を受けるつもりです。いずれ30~40年後には家を手放す時が来ます。その時にできるだけ資産価値を残しておきたい。「長期優良住宅認定」が、その資産価値の根拠になる事を期待しています。

わが家がこだわる住宅性能についての話題は、こちらにもございます。


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別荘地に定住用住宅を建てるにあたり、必要最低限の性能として「高気密高断熱」と並び「耐震等級3」を掲げました。とともに避けて通れないのが白アリ対策です。虫は好きな方ではないし、特に白アリとは新居では同居したくないです。なんせゴキブリ目シロアリ科ですよ、ゴキブリ・・・し、知らなかった。
白アリ被害イラストR
マンション住まいだと白アリは別世界の話でしたが、戸建てを持つとなると無視できません。木造住宅の大事な柱を食われたら、家の資産価値が無くなるだけでなく、住めなくなる可能性だってあります。

従来、日本にいる白アリは主に2種類でした。(今後、温暖化によってどんどん変わるかも。)彼らは土の中に巣を作って、餌となる材木を求めて登ってきます。コンクリートでもちょっとの隙間があれば登ってくるそうです。そして湿った木材が好物。彼らの最適相対湿度は70~80%です。

そこでうちが設計をご相談中のエスネルデザインさんは白アリ対策として、1m以上の高基礎・コンクリート一体打ちを標準仕様とされています。コンクリートの隙間を無くして蟻道を作らせず、雨で構造材を濡れにくくさせます。更に床下エアコンを採用し、床下が空調経路となって通気されます。(床下が高いので収納もでき、人の目も行き届きやすくなります。)

ところが、それは今までの白アリ2種には通用する対策です。今は輸入木材などに紛れてやってきた、「アメリカカンザイシロアリ」という厄介な外来種がいます。大阪を中心に関東以西に広がっているそうです。それは土の中から襲ってくるのではなく空から飛んできて、巣も木材の中に作ります。乾いていても平気です。その対策は、砂状のフンが無いか気を付けておき、見つけ次第、駆除業者に相談するしか今のところないとのこと。新築なら、ホウ酸などの薬剤を使った木材を柱に使うという手段もあるようです。

餌となる木材は好みがあるようですが、何故かヒノキは喰われないといまだに信じている人が多いようです。それが一般の人ではなく、建築実務者が「ウチは総ヒノキで建てますから白アリにやられません」と言い切っているのが怖い。(うちが建てようとしているエリアにもそのような工務店さんがあります
既に10年も前に京大の吉村先生が、アメリカカンザイシロアリはヒノキが好みという事を論文発表されています。従来の白アリ2種もお好みではないようですが、他になければヒノキだって食べる、という報告も多数出ています。

山の中は他に餌となる樹木が大量にあるので、別荘はターゲットになり難いという説もあります。実際、当該別荘地では白アリより黒アリの被害(朽ちた木材に住み着いてぼろぼろにする)の方が多いようです。でもこれから数十年の間に、どれだけ温暖化で気候が変わっていくでしょう? 今までどおりが通用しない環境になってくる可能性があります。

最後に・・・
小学生の時、友人の家で遊んでいたら押入れからものすごい大量の羽蟻が湧いて出てきて、まじスプラッター状態になったことがあります。いまだにトラウマですが、あれ、白アリが羽化して一斉に出てきたんじゃないかな?

わが家がこだわる住宅性能についての話題はこちらにもございます。


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物騒なタイトルをつけましたが先日、発生から26年目を迎えた阪神淡路大震災に関連しての話題です。

わが家もこれから別荘地に定住用住宅を建てるにあたり、必要最低限の性能として「高気密高断熱」と並び、「耐震等級3」を掲げました。このブログの「住まいに必要なこと⑥ 耐震設計」でも書きましたが、木造住宅の耐震等級って最低限の1から3まであります。耐震等級1は阪神淡路大震災(M7.3)の後に定められた最低限の耐震性能です。そして耐震等級3だと巨大地震が2回立て続けに襲っても、家は持ち堪える事が判っています(M7クラス×2回の、熊本地震の実例ですね)。
耐震等級による違い211
先日のNHKニュースでも、内陸でこれから大地震を起こす可能性が最も高い活断層は、トップで糸魚川ー静岡構造線断層帯だと報じられてました。ランクはスペシャルなSクラス、想定地震規模はM7.6です。うちがこれから家を建てる地域は、その断層帯上にあります。直下型になるかもしれません。だから耐震等級3で建てる必要があると考えています。

ところが耐震等級3にもワナ(ちょっと言いすぎですが)があるんです。耐震等級3を証明する方法が2種類あって、
 ①住宅の品質確保の促進等に関する法律(略して品確法)による耐震等級設計
 ②「許容応力度計算」による耐震等級設計
があるんです。法律だから①の方が偉い、と思いきや逆なんです。品確法の①で設計された耐震等級3は、②で設計された耐震等級2に満たないという事が検証されたそうです。

  品確法による耐震等級3 < 許容応力度計算による耐震等級2

耐震等級2以下という事は、1かもしれません。でも、どちらの設計方法で建てても「耐震等級3です」と言えてしまうんです。実は②の許容応力度計算は耐震壁を増やしたりとかとても煩雑で、これができる設計士さんが少ないんです。耐震等級3で建てますと言われたら、それは「許容応力度計算」に基づくものですか?と確認してみてください。
それどころか計算はおろか、今までの勘と経験だけで建てている工務店さんが世の中には沢山あるんです。木造住宅は殆どの場合、構造計算しなくても家を建てて良いことになっているからです。地震のリスクが高い地域では、それでは命にかかわります。

もちろん、私たちが設計をお願いしているエスネルデザインさんは、許容応力度計算をご自身でされる設計士さんです。(心強い!)
耐震設計


耐震関連の話題はこちらにもございます。ご覧くださいませ。


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