高原の小さな家で快適別荘ライフ

設計士さんによる、小さくて高性能な住宅を建て、夫婦2人で八ヶ岳の自然に囲まれた生活を目指して計画進行中です

カテゴリ:住宅建設 > 家の性能

別荘地に定住用住宅を建てるにあたり、必要最低限の性能として「高気密高断熱」と並び「耐震等級3」を掲げました。高気密で高断熱とすることで、かなり省エネの家になるはずです。その場合の冷暖房は、基本的には2台のエアコンです。

エアコンって普通、1部屋に1台だと思いませんか? 私もそれが当たり前だと思っていたのですが、
高気密高断熱で省エネ住宅の場合、床下エアコンを1台、そして小屋裏エアコン(屋根裏ですね)を1台、合計2台取り付けるだけで、家じゅうの冷暖房が可能なんです。
床下&小屋裏エアコンの図R
※こんな感じ? イメージ図、描いてみました。

◆暖房について
今住んでいるマンションでは、ガス温水型の床暖房でリビングダイニングを暖めています。エアコンはほとんど使いません。ひどい冷え性なので、冬場に足元が冷えるのがとても苦痛なんです。でも床暖房は足元から暖めてくれて、エアコンと違って風も起こらないしサイコーです。布団を敷いておけば寝るときもぽかぽか。床暖房があることで、凄く助かりました。(床暖のない元・寝室は今はほとんど使っていません。ほぼ収納スペースに成り下がっています。)
ですので別荘地に建てる家も、床暖房にするんだ!と思っていたのですが・・・

床暖房に代わる方法、それはエアコンを床に置いて床下から暖める方法です。(エアコンのCMで床下から暖めてるのって見たことないから・・・知らんかった。)それを床下エアコンといいますが、暖気を床下に送って、床下からガラリ(床に作った隙間)を通して全館を暖めます。家じゅうの床も温まるし、床材を無垢の木にしておけば蓄熱効果もあり、足触りの良い床にできるそうです。暖かい空気は上昇し、吹き抜けや階段を伝って2階まで暖まります。ここで家の高気密高断熱の性能が生きてきます。たった1台でそれが可能だからです。
実は日本のエアコンは、非常に低コストで効率の良い、優れた冷暖房機器だそうです。設置後10~15年後の交換も簡単です。でも、私の好きな床暖房はそうはいきません。交換となると床をめくっての大ごとになります。家じゅうの床に張り巡らせるのも、その後の交換もとてもお金がかかります。20年、30年と長期のメンテナンスを考えると、エアコンが一番という事になります。
エアコンキャラR
◆冷房について
冷房も小屋裏(2階の屋根裏ですね)に1台取り付けて、吹き抜けや階段から冷気を下に送ることで、全館涼しくできます。やっぱり高気密高断熱の小さい家だから可能になります。
当該別荘地は標高1000m以上に位置していますので、かつては夏場に冷房を使うことはなかったようです。しかし温暖化によって、今は新築や建て替えの別荘には冷房設備を導入されるようになったと聞きました。

そしてわが家の屋根には太陽光発電を乗せて、自家発電した電気で気兼ねなくエアコンを24時間稼働させようと目論んでいます。

太陽光発電に関する記事はこちら。

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折しも寒波で電力需要がひっ迫し、節電が呼び掛けられる事態になっています。それに関連しての話題です。
わが家は別荘地に定住用住宅を建てるにあたり、必要最低限の性能として「高気密高断熱」と並び「耐震等級3」を掲げました。それとともに屋根に太陽光発電パネルの設置を希望しています。

幸いなことに長野県の日照時間の長さは全国トップクラス。その中でも南信は晴天率が高く、特に太陽光発電に向いている地域となります。うちの敷地は360度、日光を遮るものが無いので、屋根を正南に向けて効率よく発電させることもできそうです。
太陽光発電R
そしてわが家はオール電化にする予定です(薪ストーブは別として)。太陽光の自家発電で、気兼ねなくエアコンを通年稼働させます。(そうでないと根っからの貧乏性なんで、老後は電気代をケチってエアコン入れず、熱中症になるタイプ。)またキッチンは火事になりにくい、IHクッキングヒーターにしたいです。当該別荘エリアは都市ガスが無く、プロパンガスになってしまうので、その発注手配の手間を省きたい。そして2台購入予定の自家用車の、少なくとも1台は充電可能なハイブリッド車を導入したいです。

今後、電気料金はますます高くなる一方です。節電してても前より何だか電気代高いなー、っといつも思ってました。実は2012年から、各家庭の電気料金には「再生可能エネルギー発電促進賦課金」が上乗せされています。再エネ発電された電気を買い取った経費を、電気を使っている庶民に負担させる仕組みですね。しかも2012年は1kwhあたり0.22円だったものがじわじわ値上げされて、今は2.98円/kwh。なんと13.5倍です。インフラでこんな値上げ率ってなかなかないです。
それだけじゃありません。今年秋から、電力を送る料金「託送料」に原発処理費用も上乗せされます。これだってどんどん値上げされるかも・・・
だったら自分の家で再エネ発電して、こんなの徴収されない側になりたい。しかも余った電気は(安いけど)売れるんです。今は太陽光発電の性能も良くなって、安くなって、メーカー保証期間も長くなっていて、10年間で設備投資分は回収できるという事だそうです。(10~15年でそれらの設備は買い替えになります。)

太陽光発電は初期の売電価格があまりにも良かったので、今はメリットが無いと言われています。でもそれはビジネスで儲けようとする方々の話です。うちの場合は儲ける目的ではなく、小さく自家消費用を発電して、電気を買う量を減らそう。あわよくば余ったら売ろう。そしてCO2削減にもちょっとは貢献しよう、ということです。でもそれは私の考えであって、だんなはもうちょっと違う考えのようです。

それは災害の懸念です。
東京に住んでいると本当に停電がありません。自分が上京してから20年間(瞬電は別にして)、ほぼ停電を経験していません。東北大震災の計画停電ですら対象外のエリアでした。いかに東京が、特に23区内が優先して守られているか。これが当たり前の感覚でいてはいけない、とだんなは言います。地方の電力事情はもっとぜい弱だし、温暖化で未曽有の災害が起きるリスクが高くなっている。台風はますます巨大化するといわれているし、実際に長野県は2019年、19号の集中豪雨による大水害がありました。糸魚川ー静岡構造線も走っているので、大地震のリスクもあります。どの地方の方も皆さん何となく感じていると思います。それらに対処するのが自分ちの太陽光発電と蓄電池、なんだそうです。ははーっ

更に薪ストーブについて。災害などで冬、長期停電となった際に家の太陽光発電と蓄電池だけで賄えない、あるいはそれらも故障する可能性だってゼロではない。そのバックアップとして薪ストーブを持っておきたいと申しております。私の頭では「オシャレで調理もできる素敵な暖房器具、やっぱ高原の別荘なら薪ストーブでしょ!」という発想以外の何物でもないですが・・
薪ストーブR
※イメージです

既に日本は異常気象時に、電力がひっ迫するような状況です。冬だけでなく、猛暑時もです。今後ますますこのような事態が起こる頻度は高くなるのでは? 自家発電とエネルギーのバックアップは重要かと思われます。
そういえばオール電化にしておかなくてよかったな、というシチュエーションが東北大震災の計画停電時にもありましたね。
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別荘地に定住用住宅を建てるにあたり、必要最低限の性能として「高気密高断熱」と並び「耐震等級3」を掲げました。

耐震ってこれだけ巨大地震が繰り返し起きているから、日本の新築住宅には当たり前の標準性能じゃないの? と、漠然と思っていました。松尾設計事務所の松尾先生や、構造塾の佐藤先生のYOUTUBE動画を見るまでは・・・実は違ったんです。
耐震設計
「住まいに必要なこと②」でもチラっと書きましたが、2016年熊本地震ではご存じのとおり震度7クラスが2回続けて襲いました。それは建築業界にとって衝撃的な天災だったようです。熊本地震では1回目で持ち堪えた家も2回目に耐えられず、倒壊した例が多数ありました。それは建築基準法(耐震等級1)にのっとってきちんと建てられた、築10年未満の家でも起こりました。つまり、大地震に遭った家は現行の建築基準法では1回の地震には耐えられても、その後危険すぎて住み続けられないという事です。見た目に大丈夫そうでも、その家を諦めて建て替えることになるのです。
耐震等級による違い211
ところがですよ、耐震等級3で建てられた家はほぼ被害が無く、住み続けることができているんです。耐震等級2や、最低限の建築基準法レベルの家では住めなくなった家が沢山あった訳です。

50代になってから家を建てようとしているうちの場合、1回巨大地震に遭ったからと言ってその家を捨ててもう一回家を建てる、家を買うなどの余力は年齢的にありません。今度建てる家が一発真剣勝負です。しかも家を建てようとしている別荘地は、糸魚川ー静岡構造線による大地震発生確率が高いとされている行政地域です。

もう絶対、耐震等級3で建てたい! と思いましたね。外観や間取りや収納なんかより、これ最優先じゃないの?

耐震について考え始めたきっかけを「住まいに必要なこと②」でもご紹介しています。

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わが家はこれから別荘地に定住用住宅を建てるにあたり、まず必要最低限の性能として「高気密高断熱」を掲げました。
何千万円もかける自分の家がすかすかハウスになるのは絶対に許せない!「Ua値0.3以下」「C値0.5以下」は必須条件。省エネでも家の中はどこもかも、いつも快適な温度にしたい。その方がヒートショックで死亡するリスクも下がります。
快適な家の中
※イメージです(残念ながら私じゃありません)

Ua値を小さくする外皮性能は、壁に適切な断熱材を厚くしっかり入れれば良いのですが、きちんと施工できていないと壁の内部で結露する「内部結露」が起こり腐食が発生します。知識・設計力・技術力がなく、防湿気密シートを使いこなせない工務店が適当に建築した中古物件でそういった事例が露呈します。すかすかハウスを漫然と建てている業者は、それで高断熱の上げ足を取ったりするらしいです。

また同様に高気密についても「換気ができないので体に悪い」「シックハウスの原因」「夏暑い」などと否定的な話をするとか。

新築住宅は一生に1回くらいしか買わないので、素人は経験や知識が無いですよね。だからとりあえず行ったハウスメーカーのモデルハウスや住宅展示場で、話の上手な感じのいい営業の人がいたら取り込まれてしまいそうです。相手は営業のプロですから。しかも「高気密・高断熱」には明確な基準がないんです。言ったもん勝ちなんだそうです。すかすかハウスメーカーでも「うちは高気密高断熱で建てます」って言えてしまうのが恐ろしい。
住宅営業マン
新型コロナ流行もあって、うちは住宅展示場、モデルハウス見学に一切行っていません。いや、ほんとは行ってみたかったんですが(今でも)、何週間も前からの予約が面倒なうえ、だんなが見学不要派なんです・・・いよいようちはネット情報だけで家を建てることになりそうです。

※こちらでわが家が新居に求める性能について、考えてきた経緯をご覧いただけます。

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別荘地に定住用住宅を建てることになり、初めて知った高気密高断熱の家。自分が子供の頃と違って、家もどんどん進化しているんですね。

1.ZEH基準
まず初めに経産省の(ネット・ゼロ・エネルギーハウス)ZEH基準なるものがあることを知りました。
ZEHイメージ
                     (出典:資源エネルギー庁)
家の外皮性能を上げて(高断熱にして)省エネにし、太陽光発電などでエネルギーを作り出してプラマイゼロするという事だそうです。これから電気代が高くなっていくから、太陽光発電を乗せたいとだんなも言っているし、高断熱の暖かい家になるならZEHを目指せばいいのでは?
ZEH基準ではUa値を0.4~0.6以下にしなければならない・・・何なに、Ua値?

2.Ua値
家の壁や窓(外皮)からどのくらい熱が逃げてしまうかを表す数値なので、小さいほうが高断熱という事なんです。建築物省エネ法の地域区分2では0.4以下、地域区分3では0.5以下とされていて、わが家の建設予定地は極めて2地域に近い3地域なので、ZEHなら0.4以下を目指さなければならない。

ちなみに2020年に0.87以下というゆるーい数値の「省エネ基準」適合が義務づけされる予定だったのが、大手ハウスメーカー(?)による水面下での圧力で頓挫したらしい。建築業界の闇ですね~
ZEH基準では温暖な7地域でも0.6以下にすべしって決まったのに、0.87もクリアできないハウスメーカー、工務店が沢山いるのが現実。知らずにいると北国でも、すかすか南国仕様で建てられてしまうってこと?

しかもZEHも既に時代遅れ。今は研究者や業界の有志団体が策定したHEAT20という基準が認知されつつあり、G2区分では3地域ではUa値0.28が推奨水準。それでも欧米の最低ランクだそうです。 

3.C値
Ua値を小さくして外皮性能だけを上げても、隙間だらけでは元も子もないということで、気密も数値化されていました。それがC値だそうです。これがまた大変手間らしく、国の基準が無いことをいいことに、大手ハウスメーカーは測りたくないから無視しています。(高性能住宅を売りにしているハウスメーカーは保証しています。)実際に建ててから「気密測定試験機」で測定するので、測ってみたらだめでした、では大変なことになってしまいます。緻密な計算で設計できる設計士さんと、それを施工できる工務店さんがいないとできない訳です。
ちなみに一般的には木造住宅だとC値5.0くらいで、2×4工法で3.0、高気密住宅は1.0以下となります。住宅先進国ドイツの省エネ住宅(パッシブハウス)は0.2が基準とのこと。築50年の実家は以前、1枚ガラスのゆるゆる木製サッシでしたが、どんなにすかすかだったんだろう?

3.Q値
断熱性能や気密性能から割り出される熱損失係数がQ値で、オイルショック後に建築物省エネ基準として導入された初めての数値だったそうです。平成11年までは省エネ基準として基準値が設定されていました。しかし、外皮全体から算出するUa値と違って、総床面積で計算するQ値は正確性に欠けるとして今はあまり採用されていないそうです。
暖かそうな家
こういった基準があり、それがクリアできていない新築が沢山建てられていることを知るにつけ、何千万円もかける自分の家がすかすかハウスになるのは絶対に許せない、「Ua値0.3以下」「C値0.5以下」できっちり建てて下さる設計士さん、工務店さんを探そう、と強い決意で家づくりの入り口に立った訳です。
しかし・・・現実には最初から建て主がこんな数値目標を挙げて商談に臨むと、まず工務店側から避けられるようです。

わが家が新居の性能について考えてきた経緯をこちらでご覧いただけます。

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