高原の小さな家で快適別荘ライフ

エスネルデザインさん設計による、小さくて高性能な住宅を別荘地に建設中です。夫婦2人で八ヶ岳の自然に囲まれた生活が始まるのももうすぐです。

カテゴリ:アウトドア > 登山

5年ぶりに百名山と銘打たれた山に登りました。百名山中、最難関とされる剣岳2,999mです。

14食分の食料を持って
8月に入り、天候を読んで出発の2日前に剣岳行きを決めました。余裕をもっての2泊3日の山行です。
前日に食料を買い出しし、パッキング。小屋泊ですが、食物アレルギーの事情で全食自炊なので、だんなと2人分で14食+行動食を持ちました。ザックに詰めるとかなりの荷物量です。

初日は剣山荘まで

初日は移動日です。黒部アルペンルートの長野側、扇沢からアプローチしました。電気バス~徒歩(黒部ダム)~ケーブルカー~ロープウェイ~トロリーバス、と乗り継いで室堂へ向かいます。
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久し振りの室堂は、夏休みとあって平日でも賑わっていました。
室堂からは剱御前小屋を経由して、剣山荘へ。高山植物のお花畑(チングルマなど)が見ごたえありました。
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雪渓はかなり溶けて小さくなっていて、しっかり階段状に切ってもらってあったので歩きやすかったです。持参したスノースパイクは出番がなく、単なる重りと化しました。

剣山荘は剣岳に最も近い山小屋ですが、平日とあって空いていました。(シャワーが使える事に驚きました。)

いよいよ剣岳アタック
剣岳の岩稜の鎖場は厳しい上、団体のパーティとかち合うと渋滞するのが通説になっているので、早朝の行動開始が鍵になります。わが家は3時に起床し、朝食抜きでまだ暗い4時前に小屋を出発しました。
登山道の脇では雷鳥が盛んに「グェ~グェ~」と鳴いていますが、暗くてどこにいるのか全く分かりません。

ヘッドランプの明かりで他の登山者の気配は判りますが、前後に付くパーティはありません。焦る必要は無く、所々で行動食を頬張りつつ、じわじわ登っていきます。
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日の出を迎えるとガスが出て、これが幸いしました。むしろ回りがよく見えない方が高度感が判らず、恐怖を感じにくかったです。

鎖場が辛い
前半の鎖場はまだ鎖が補助的な存在で、あまり頼らずに登れました。
が、前剣のピークを過ぎると厳しさ増し増しになり、5番目鎖場「前剣の門」からはマジか?!という状態に。ほぼ垂直の絶壁に鎖がかかっているだけに見えます。
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※「前剣の門」では追い付いてきた男性に先行してもらいました

更に、取り付き手前の一本橋は幅30cm位で、手すりも何も無いものです。その下は奈落の底の様に何処までも切れ落ちています(多分です→怖くて下を見ていないので、実際の高度は確認不能)。

その後も「マジか~?!」という鎖場が次々現れ、体力的よりもメンタル的に辛い。一瞬「もう止めたい」と思うも、今更行くのも戻るのも地獄。そもそも剣山の山頂近くは上りと下りのルートが分けられているので、逆走もアカンし・・・

だんなも「ここで滑落したら遺体はどうやって回収されるのか」などと考えていた様ですが、私は滑落後のことまで考える余裕もなく・・・。
とにかく目の前の鎖場を「三点支持、三点支持…」と唱えながら攻略するのが精いっぱいでした。

やがてがれ場に出て、初めて山頂直下まで来ている事に気が付きました。いつの間にか、かの(登山者の間では)有名な「カニのタテバイ」も通過していました。
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※山頂直下から振り返った「カニのタテバイ」

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※手前の壁面を拡大すると、今まさに通過中の人がいます。これを通って来たのか~

登頂!
途中休憩を入れつつも、ほぼコースタイムどおりの2時間半で登頂しました。やれやれ。
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※登頂しました!

山頂ではガスも取れ、快晴無風で360度の絶景でした。北アルプスの名峰の数々だけでなく、富士山も白山も・・・登った甲斐がありました!
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しばしの休憩の後、下山開始です。しかし、またあの鎖場を戻るのか~(泣)。

下山後は温泉だ
剣岳から無事戻った後は、剣山荘で遅い朝食を摂ってデポしたザックを回収し、室堂まで下山。
2泊目は雷鳥沢ヒュッテの源泉かけ流し温泉で、ゆっくり疲れを取りました。
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※山スキーで泊まって以来、約30年ぶりの雷鳥沢の温泉。避暑にももってこいでした。

今回はふくらはぎだけでなく、普段登山では使わない二の腕や肩回りが筋肉痛になりましたとさ。

残るは5座
登ってみて、剣岳はやはり色んな意味で別格でした。山容もそうですが、辛さも難易度も。私的には奥穂高岳から大キレット経由の槍ヶ岳に次ぐ辛さでした。

実際、コロナ禍や、体調の面で登山から遠ざかっていた期間もあり、難易度が高い剣岳はもう登れないかも・・・と思っていました。
でも今回の剣岳登頂で、わが家の百名山踏破も可能性が復活しました。残すところ5座、草津白根山、北海道の3山(幌尻、羅臼、斜里)と富士山です。今となっては草津白根山が最も難易度が高いかも(噴火しちゃったので)。


その前の北アルプス山行はこちら、燕岳でした。

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#北アルプス
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梅雨時ですが天候と休日の両方が揃い、北アルプスの燕岳(つばくろだけ)2,763mを登りに行ってきました。
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燕岳は北アルプスの中でも登山者に人気の山です。ずっと気になっていた山でしたが、わが家は登った事がありませんでした。行ってみて人気の理由が分かりました。

人気の理由はこれだ!
燕岳の登山ルート「合戦尾根」は北アルプス三大急登の1つだそうですが、実際に登ってみて辛いよりもむしろ楽しいポイントが幾つもありました。

登山道はよく整備され、お休み処のベンチも立派なのが4ヶ所以上、小まめに設置されていて有難いです。
途中の合戦小屋では名物のスイカ(ブランドの松本市波田産)はハズせません。凄く美味しかった!
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※皮近くまで甘~い!

道中、富士山や槍ヶ岳の穂先がチラ見えできるので、励みになります。高山植物も沢山咲いていました。
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※道中、手前の馬の背越しに穂先だけのぞかせる槍ヶ岳

確かに緩くはない登りがずっと続きます。個人的には登り返しが何度も現れるよりも、ずっと上りっぱなしの方が有難いです(一旦下りに転じると、その後の登りがツラくなるので苦手です)。

山頂アタックも楽しい

山小屋「燕山荘」に着くと、目の前に木曽山脈がでーん!と広がり、槍ヶ岳も近くに見えます。燕岳の山頂越しには、立山・剣も望めます。北アルプスの名峰の数々が一気に拝めるこの眺望は、感動もの!
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※木曽山脈が正面に広がります

山小屋に荷物を置き、身軽になって山頂に向かいます。侵食されて不思議な形に残った花崗岩が幾つもあり、目を楽しませてくれます。
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※これが(登山者の間で)有名なイルカ岩だ

コマクサの群生も花がピークでした。
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山頂はさほど広くはありませんが、景色は素晴らしく、ゆっくり堪能したいところです。
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※登頂しました!

山小屋「燕山荘」の人気の理由も
泊まった「燕山荘」は館内も綺麗に保たれ、スタッフの接客も良いです。時々開催されるミニコンサートも売りの様です(平日だったので行われていませんでしたが)。

喫茶コーナーでは珍しくスイスワインを扱っていました。世界遺産のラヴォー産です。
その赤ワインをだんなが1本空けましたが、下手なフランスワインよりも美味しかったそうです(山で昼から飲む酒は何でも旨いのでは?)。しかもヘリで荷揚げされて¥4,800/本の価格は良心的だとか宣ってました。
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残念ながら(私の食物アレルギーのため)自炊したので、提供される食事の良し悪しは分かりませんでした。この日はわが家以外、自炊客はいなかったようなので、多分、美味しいんじゃないかと思います。

しかし、体がついて行かない
非常に楽しい登山ではありましたが、ここの所まともに山に登っておらず、すっかり足の筋力が落ちていて、上昇量1,400mは登りも下りも後半が辛かったです。
翌日からの筋肉痛が半端なく・・・反省してます。自宅の階段で泣いております。


その前の北アルプス山行はこちら。昨年秋に行ってきました。

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10年ぶりに北アルプスの双六岳・三俣蓮華岳を登りました。北アルプス自体も3年半ぶりです。

快晴を狙って
久し振りに天候が安定した秋のこの時期ですが、営業している山小屋は限られ、行くのは3年間ほぼ登っていないダンナと体力の衰えが激しい私。登れる高山は諸条件で絞られてきます。

以前、折立(富山県)から雲ノ平を経て新穂高(岐阜県)まで縦走した際、山行の後半が雨になり、双六岳はガスの中でした。山頂ではどんな景色が広がっていたのか、この機会に見に行ってみる事にしました。

初日は鏡平
早朝、自宅を車で出発し、約3時間で新穂高登山口に到着。7時過ぎに登山センターから歩きだしました。この日は快晴で平野部では30℃を超える予報だけあり、小池新道の登りで激しく汗をかきました。

その甲斐あって、たどり着いた鏡平では誰もが感動する絶景に出会えました。以前通過した際は、雨降る中、池もガスの中でした。晴れたらこんな景色が見えたのか~!
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※標高2,300mの鏡池。かつて歩いた奥穂~槍の稜線が一望!

11時半に鏡平小屋到着。この日はここに宿泊しました。個室の窓からも槍ヶ岳が見えてました。

2日目は双六・三俣蓮華
やや風があるものの、2日目も雲の無い快晴です。6時に小屋を出発。
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※槍の穂先から間もなく昇る朝日

途中、この日に泊まる双六小屋に荷物を半分置いて山頂へ。山頂付近は平らですが、双六岳ってこんなに登ったっけ? きついな~
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※9時半、双六岳2,860m登頂! 360度の絶景です

続いて三俣蓮華へ。こんなに登り返したっけ? きついな~
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※11時前に三俣蓮華岳2,841m登頂。三県(長野・岐阜・富山)境碑の間に立ってご満悦

三俣山荘の展望食堂でランチを食べ、ワインを買って戻りました。当初、鷲羽岳までを考えたのですが、今の体力では三俣蓮華が限界でした。無理せず引き返すことにし、双六小屋までは巻道で。

この辺りの紅葉はイマイチでした。ナナカマドなど葉が赤くなる前に縮れて落ちてしまっているようでした。

3日目は下山
朝から高曇りになった3日目、素直に小池新道を下山し、帰宅しました。
3日間の総上昇量は2,762mでした。ダンナは翌日から酷い筋肉痛になってました。私もヒトのことは言えません。

コロナ禍でこんなに変わっていた

3年半ぶりの山小屋はコロナ対策で色々と変わっていました。
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※山小屋で飲むビールは変わらなかったらしい

まず完全予約制になり、衛生対策もがっちり。手洗いマスク必須は当然の事として、洗面所には手洗い洗剤や消毒用アルコール、ペーパータオル、紙コップが常備されていました。寝具にも不織布がかけられるようになりました。
宿泊料金も上がっていて、トイレの使用料金も100円から2倍の200円になっていました。100円玉が幾つあっても足らないです。知らない事だらけでした。

これらの衛生対策が定着するまで、色々ご苦労があった事かと思われました。


長野県に移住して1年、コロナ禍の外出制限も解かれ、遅まきながらダンナも山行に出かける気になったようです。私はそれ以前からゆるく近場で登ってました。


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