別荘地に定住用住宅を建てることになり、初めて知った高気密高断熱の家。自分が子供の頃と違って、家もどんどん進化しているんですね。

1.ZEH基準
まず初めに経産省の(ネット・ゼロ・エネルギーハウス)ZEH基準なるものがあることを知りました。
ZEHイメージ
                     (出典:資源エネルギー庁)
家の外皮性能を上げて(高断熱にして)省エネにし、太陽光発電などでエネルギーを作り出してプラマイゼロするという事だそうです。これから電気代が高くなっていくから、太陽光発電を乗せたいとだんなも言っているし、高断熱の暖かい家になるならZEHを目指せばいいのでは?
ZEH基準ではUa値を0.4~0.6以下にしなければならない・・・何なに、Ua値?

2.Ua値
家の壁や窓(外皮)からどのくらい熱が逃げてしまうかを表す数値なので、小さいほうが高断熱という事なんです。建築物省エネ法の地域区分2では0.4以下、地域区分3では0.5以下とされていて、わが家の建設予定地は極めて2地域に近い3地域なので、ZEHなら0.4以下を目指さなければならない。

ちなみに2020年に0.87以下というゆるーい数値の「省エネ基準」適合が義務づけされる予定だったのが、大手ハウスメーカー(?)による水面下での圧力で頓挫したらしい。建築業界の闇ですね~
ZEH基準では温暖な7地域でも0.6以下にすべしって決まったのに、0.87もクリアできないハウスメーカー、工務店が沢山いるのが現実。知らずにいると北国でも、すかすか南国仕様で建てられてしまうってこと?

しかもZEHも既に時代遅れ。今は研究者や業界の有志団体が策定したHEAT20という基準が認知されつつあり、G2区分では3地域ではUa値0.28が推奨水準。それでも欧米の最低ランクだそうです。 

3.C値
Ua値を小さくして外皮性能だけを上げても、隙間だらけでは元も子もないということで、気密も数値化されていました。それがC値だそうです。これがまた大変手間らしく、国の基準が無いことをいいことに、大手ハウスメーカーは測りたくないから無視しています。(高性能住宅を売りにしているハウスメーカーは保証しています。)実際に建ててから「気密測定試験機」で測定するので、測ってみたらだめでした、では大変なことになってしまいます。緻密な計算で設計できる設計士さんと、それを施工できる工務店さんがいないとできない訳です。
ちなみに一般的には木造住宅だとC値5.0くらいで、2×4工法で3.0、高気密住宅は1.0以下となります。住宅先進国ドイツの省エネ住宅(パッシブハウス)は0.2が基準とのこと。築50年の実家は以前、1枚ガラスのゆるゆる木製サッシでしたが、どんなにすかすかだったんだろう?

3.Q値
断熱性能や気密性能から割り出される熱損失係数がQ値で、オイルショック後に建築物省エネ基準として導入された初めての数値だったそうです。平成11年までは省エネ基準として基準値が設定されていました。しかし、外皮全体から算出するUa値と違って、総床面積で計算するQ値は正確性に欠けるとして今はあまり採用されていないそうです。
暖かそうな家
こういった基準があり、それがクリアできていない新築が沢山建てられていることを知るにつけ、何千万円もかける自分の家がすかすかハウスになるのは絶対に許せない、「Ua値0.3以下」「C値0.5以下」できっちり建てて下さる設計士さん、工務店さんを探そう、と強い決意で家づくりの入り口に立った訳です。
しかし・・・現実には最初から建て主がこんな数値目標を挙げて商談に臨むと、まず工務店側から避けられるようです。

わが家が新居の性能について考えてきた経緯をこちらでご覧いただけます。

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